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共同創業するなら事前に決めておきたい持ち株比率、給料、ストックオプションの話

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大切なパートナーと、これから共に起業しようと考えている場合、大事なのはやはり「お金の話」です。会社経営において、お金の話は売上、利益、そして給料にとどまりません。むしろ、それらの話は都度修正ができるものなので、重要度はそこまで高くないとさえいえるかもしれません。大事なのは「株」に尽きます。創業時の持ち株比率、ストックオプションについては非常に揉めやすいテーマなので、良く学んでおきましょう。

ちなみに「絶対揉めない共同経営!」というテーマの記事も書いてますので、よろしければご参照ください。創業者間契約書について、パートナーに辞めてもらいたいと思ったときの対応についてなど、共同経営する際の注意事項を網羅しています。

起業は人生の一大事、ちゃんと学びましょう
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役員ではなく、従業員からスタートがベスト

まず迷うのがこの点。これは代表者とナンバーツーのパワーバランス次第ですが、できる限り最初は従業員からスタートしたほうが良いでしょう。従業員からスタートするメリットはたくさんあります。例えば会社の売上が想定よりも伸びたとき。役員の給与を上げるには株主総会を開かなければなりませんし、期中の変更は基本的にできません(例外はありますが、基本できないと理解しておいて問題ありません)。一方で、従業員であれば、外部への申請や届け出は一切不要で社内の手続きのみで給料を上げることができます。

また、最初のパートナーが期待通りの働きをしてくれないというケースは往々にしてある話です。そんな際、そのパートナーが役員でいることで、次の新しいビジネスパートナーが参画しにくくなる、というデメリットもあるでしょう。

であれば、最初は従業員からスタートし、「この成果を達成できたら役員にしよう」という約束をするのが最も誠実な対応であると私は考えています。

最初から役員にするケース

一方で、代表者とその他のパートナーのパワーバランスにおいて、ほとんど差がないケースは、最初から役員にしたほうがうまく回ることも多いでしょう。例えば同級生同士で起業する、営業と開発で完璧に役割分担をする、など。こういった場合、ほぼ完全に対等な関係なので、場合によっては共同代表もあり得るかもしれません。また、対等な関係なのに、知識でマウンティングをして相手を従業員にする、というのは不誠実であると捉えることもできます。

NGなのは「役員にするから」という口説き文句

最初から役員なのか、従業員なのかに関しては、代表とパートナーの距離感やパワーバランス次第です。正解は無い問題だと言えるでしょう。しかし、やってはいけないこと、はあります。それが、自社に採用したいために「役員にするから」と口説いてしまうことです。

役員じゃなければあなたの会社に来ない人材は、「役員」というなんとなくの響きに魅力を感じているだけなのです。「俺、ベンチャー企業の役員やってるから」というタイプの人間は、まずベンチャーにおいて価値を発揮できないでしょう。また、役員じゃなければ来ないのであれば、あなたの会社のビジョンや将来性、ひいてはリーダーとしてのあなたにも魅力を感じていないと言えます。そんな人材を「役員」というポジションを餌に会社に引き込むのは、まさに百害あって一利なし、です。たとえそれが周囲から評判が良い、現在の会社で成績が素晴らしい、超有名企業に勤めている、という相手であっても同じです。

創業時に肩書でしか採用できないなら、サービスやビジョン、自分自身のふるまいを見直しましょう
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後には引けない「持ち株比率」の話

会社の「支配権」ともいえる持ち株比率の話。こちらに関しては、「絶対揉めない共同経営!」で説明している「創業者間契約書」をしっかりと作成することが最大の対策になります。ベンチャーキャピタルなどから第三者割当増資による資金調達をしない会社であれば、その契約書があれば問題はあまり大きくならないでしょう。問題になったとしても株を買い戻すという対応で会社を守ることができます。

一方で、問題になりやすいのはベンチャーキャピタル、エンジェル(個人投資家)などから資金調達をする場合です。この場合、創業者間契約書を作ることはもちろんですが、その上で相手に渡すのはできる限り少ない株で済ますようにしましょう。

「株」を渡さずストックオプションで対応する

それでもパートナーは、もちろん株を持つことを望むでしょう。その場合はストックオプションで対応しましょう。その際、ストックオプションには「べスティング」というものを設けます。べスティングとは、ストックオプションの行使に一定の制限を設けることです。制限として最もよく使われるのが「期間」です。例えば、下記のようなものが一般的です。

・付与から2年経過すると25%行使できる
・以降、1年経過ごとに25%ずつ行使できる

こうしておけば、ストックオプションのすべてを行使するには4年が必要になります。半年で仲違いして辞めた、事業貢献もほとんどしていない、なのに株はたくさん持っている、という事態が防げるわけです。パートナーにとっても、一定期間しっかりと貢献すれば行使できるわけですから、そんなに違和感がある話ではないでしょう。

べスティングにはその他、業績がどうなっていないと行使できない(売上規模、調達時時価総額など)、そもそも上場しなかった場合は行使できない、など様々なパターンがあります。こういった制限があることで、パートナーにとっても「もっと売上を伸ばそう!」「もっと時価総額を上げよう!」というモチベーションに繋がるのです。

株に対しての考え方は様々、しかしたくさん持っていれば「選択肢が増える」ことは間違いありません
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共同経営者の給料はどうする?

正直、株も持ってない、給料も低い、肩書も従業員、ではさすがにパートナーは納得できないでしょう。通常の独立起業の場合(外部から資金調達をして上場を目指すスタートアップではない場合)、株を渡す、肩書を役員にする、その代わりに給料は低いところからスタートする、というのは悪くない選択です。

一方で、上場などを目指すスタートアップの場合、少なくとも株で解決するのは最終手段。できれば、外部から資金調達をして、その資金を人件費に充てたほうが良いと考えられます。もちろん、サービスや会社のビジョンが素晴らしく、株、給与、肩書どれも我慢してでも入社したい!と思ってもらえるのがベストではあるのでしょうが…。

将来を見据えた冷静な判断をしつつ、チームの熱量もしっかり保ちましょう
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迷ったらベンチャーキャピタルに聞いてみよう!

色々と考えることが多くて、どうしたらいいか分からない…となる方もいらっしゃると思います。創業時の資本政策については「絶対揉めない共同経営!」でご紹介した書籍などを読んでいただくと良いかと思いますが、より良い学習の方法として、プロであるベンチャーキャピタルに聞きに行く!というをおすすめします。

ベンチャーキャピタルに知り合いがいない…という方でも心配することはありません。今はどこのベンチャーキャピタルも魅力的な起業家を必死に探しています。そして、創業前の起業家が資本政策についてあまり詳しくないことなど百も承知なのです。ウェブサイトのお問い合わせや、Twitterアカウントなどを通じて「一度事業計画書と資本政策のレビューをしていただけませんでしょうか?」と、勇気を出して尋ねてみましょう。きっとあなたの会社の成長の力になってくれるはずです。

この記事を書いた人
坂本正
坂本正
フリーランス

大学卒業後、中堅のIT企業で2年間サラリーマンを経験。その後独立起業してウェブ制作会社を立ち上げるも資金繰りに失敗し、一度クローズ。今はフリーランスとして活動する1990年生まれ。

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